第十七話 那古野城へ

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 あとで村人みんなで分ける、大事なお金だ。しっかりと守らないとな。 「それじゃ、弥五郎。炭100はわしが受け取るでよ」 《弥五郎 銭 5貫300文》 <目標  なし>  商品 なし  それから俺は、藤吉郎さんを高台の上にある小屋まで連れていった。  炭100は、やはりちょっとした量である。 「弥五郎。藤吉郎さんひとりで、炭を運ぶのは難しいだろう。お前、手伝ってやったらどうだ」 「うん、そうだね。村には馬もあるし」  父ちゃんに言われて、俺は馬を2頭連れてきた。  で、それぞれの馬に炭の入った黒俵を取り付けたのだ。  炭はけっこうな量だが……が、がんばれ、馬。 「これでよし、と。じゃあ俺、那古野城まで藤吉郎さんを送ってくる」 「弥五郎、ひとりで大丈夫か? 私もついていこうか?」 「大丈夫だよ、伊与。お城まで炭を届けるだけだし、すぐに戻ってくるから」 「そ、そうか。……帰ってきたら、また相撲でも取ろうな」 「ああ」  俺は力強くうなずいた。  すると伊与は、口許に笑みを浮かべて言った。 「……弥五郎。やっぱりお前は、少し変わったよ」 「え……」 「弥五郎は弥五郎だけどな。だけど――ふふ、相撲を取っても、今度はてこずるかもな」 「……かな?」  俺は、ちょっと肩をすくめたが――     
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