第二十話 黄金色の誓い

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 ――強くありさえすれば、自分を守れる。家族も仲間も守れる。  ――このクソみたいな現実を、すべて吹っ飛ばしてやれるのに!!  以前、シガル衆に襲われたとき、こう思った。  そして、前回は守り抜いた。  だが、今回は。  ……目の前でシガル衆が暴れ回るのを、一晩中ただ見ていただけだ。  悔やんでも悔やみきれない。けっきょく自分はなにもできなかった。  なにが神の子だ。馬鹿々々しい。知識と能力を使って活躍して、ちょっといい気になって。  その挙句がこの体たらくだ。なんてざまだ。誰も守れなかった。ただひとりも守れなかった!  ……父ちゃん、母ちゃん。ごめん。……俺、なにもできなかったよ……! 「弥五郎」  そのとき、ふいに藤吉郎さんが怪訝声を出した。 「伊与はどこじゃ?」 「……え?」 「伊与の死体が、見つからんぞ」 「な、なんですって!?」  藤吉郎さんにそう言われて、俺は村中を駆け回った。  藤吉郎さんとふたりで、村の近くまで含めて、さんざんに探し回ったのだ。    しかし――  いない。確かに伊与がいない。  生存者はいないが、伊与の死体もまた見つからない。  と、いうことは。 「伊与は……生きている……?」 「生きておる。……そうじゃ、きっと生きておるぞ、弥五郎!」     
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