4714人が本棚に入れています
本棚に追加
5000貫を集めてシガル衆を倒す。
そして藤吉郎さんと一緒に天下を平和にしてみせる。
もしその過程で、歴史が変わる危険性があったとしても。
……もはや、ためらわない。
俺は自分の思う平和のために邁進する!
それがこの俺の、戦国乱世における新しい人生だ!!
「……弥五郎。汝ァ、急に大人になったようじゃ。一人前の男に見えるぞ」
「母ちゃんも、12歳にもなれば、もう元服が近いと言っていました」
「ならば弥五郎。今日を汝の元服の日とせよ!」
元服。……前世で29年も生きた自分が、元服と言われるのも妙な気がした。
だけど、それもいいかもしれない。今度こそ、今回の人生こそ、必ず強く生きてみせる。
その誓いとして、今日を境に元服してもいいと思う。
「分かりました。俺は元服します。名乗りも改めます」
「ほほう、なんと名乗る?」
「話すと長くなりますが、俺には実は、別に両親がいるのです」
「ほう? それは……汝ァ、存外、複雑な人生を歩んでおったのだな」
「はあ、まあ。……そして、その両親がつけてくれた名前があるんです。その名も」
俺は、前世の両親の顔も思い浮かべながら言った。
「山田俊明! ……俺は今日から、山田弥五郎俊明です!」
最初のコメントを投稿しよう!