第二十話 黄金色の誓い

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 5000貫を集めてシガル衆を倒す。  そして藤吉郎さんと一緒に天下を平和にしてみせる。  もしその過程で、歴史が変わる危険性があったとしても。  ……もはや、ためらわない。  俺は自分の思う平和のために邁進する!  それがこの俺の、戦国乱世における新しい人生だ!! 「……弥五郎。汝ァ、急に大人になったようじゃ。一人前の男に見えるぞ」 「母ちゃんも、12歳にもなれば、もう元服が近いと言っていました」 「ならば弥五郎。今日を汝の元服の日とせよ!」  元服。……前世で29年も生きた自分が、元服と言われるのも妙な気がした。  だけど、それもいいかもしれない。今度こそ、今回の人生こそ、必ず強く生きてみせる。  その誓いとして、今日を境に元服してもいいと思う。 「分かりました。俺は元服します。名乗りも改めます」 「ほほう、なんと名乗る?」 「話すと長くなりますが、俺には実は、別に両親がいるのです」 「ほう? それは……汝ァ、存外、複雑な人生を歩んでおったのだな」 「はあ、まあ。……そして、その両親がつけてくれた名前があるんです。その名も」  俺は、前世の両親の顔も思い浮かべながら言った。 「山田俊明! ……俺は今日から、山田弥五郎俊明です!」     
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