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第二十四話 津島到着、そして
津島への道を、テクテク歩く俺とカンナ(と馬一頭)。
「ふふっ、うふふっ」
「嬉しそうだね、カンナ」
「そりゃそうよ~。だって久しぶりに誰かと旅をしとるんやもん!」
マントをヒラヒラさせながら、白い歯を見せる金髪少女。
マントの内側には、小さな袋がいくつかくっついている。
変わったマントだな。おじいちゃんかお母さんが使っていたものかな?
「あたし、ひとりでおることのほうが少なかったけんね。誰かと一緒のほうが落ち着くとよ」
「そうか。お父さんと旅をしていたんだっけ」
「うん。おっきな船に乗ってねえ、お父さんと……。あとは、お父さんの部下の人とも――」
と、そこまで言ってカンナはちょっとだけ目を伏せた。
「まあ、みんなおらんくなったけどね」
「みんなって、部下のひとが?」
「うん。お父さんが病気になったって話はしたやん? 部下のひとたちも最初は看病しよったんやけどね。……病気はちっともよくならなくて。全身にブツブツがどんどんできて、お腹がぷくっと膨らんで」
「ブツブツに、膨らみ……」
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