1人が本棚に入れています
本棚に追加
最初はすごく警戒されてなかなか目を合わせてくれなかったけど、月日を重ねるごとに、だんだんと心を開いていってくれた。
サイコパスは、この時とても嬉しかった。
他人が自分のことを信頼してくれる姿は、なんとも言えない喜びを感じる。
それで、その子とはよくふたりで遊んだものだ。
学校が終わった後、仲良くアイスを食べに行ったり、服を買いに行ったり、プリクラをとったり、夜遅くまで遊んだ思い出が懐かしい。
サイコパスは、自分の本音に目を向けた。
でも本当のところ、その子のことなんて別に好きじゃなかった。
じゃあなんで、ふたりで遊んでいたかって……?
そんなの決まってるじゃん。
……自分の美貌を際立たせるためだよ。
ブスな子と一緒に歩いてれば、必ず可愛く見えるし、そんな暗い子とも仲良く接してあげてるってことで社会的評価も上がるでしょ。
それ以外に、話しかける理由なんてなかった。
ただ単に、自分の周りに極端なブスを置いておきたかっただけ。
ただそれだけ……
あの子は……誰かに寄生しないと生きていけない……哀しい生き物。
暗くて何の取り柄もない子が、そのブスという特徴を生かして誰かの役に立ったんだから、その子も嬉しかったはず。
話しかけて遊んであげただけで、感謝してもらいたいぐらい。
最初のコメントを投稿しよう!