宙を舞う瞬間、俺は考えたbyフジミヤ

4/4
112人が本棚に入れています
本棚に追加
/931ページ
「君!救急車を!」 「要らねっす!俺不死身なんで!」    痛みも感じないっす! 「はあ!?」  さっき投げた被害者を横目に、俺は高校を目指した。  どれくらい走っただろうか、遂に校門が目の前に現れる。  俺は歓喜のあまりに両手を高く上げ、 マラソンのゴールテープを切るような気分で校門を通過した。  周りの騒めきも今は選手を祝う歓声に聞こえる。  寝坊こそしたが、遅刻まではせずに済んだぜ。  俺は徐々に速度を落とし、終いには徒歩の速度で校舎に入った。  階段を登り、俺の教室である一年A組の前に辿り着く。  そしてここで、俺の意識がフッと遠のく。 「あ…」  俺不死身だけど、流した血は戻って来ないんだよね。  つまりは……貧、血。
/931ページ

最初のコメントを投稿しよう!