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「君!救急車を!」
「要らねっす!俺不死身なんで!」
痛みも感じないっす!
「はあ!?」
さっき投げた被害者を横目に、俺は高校を目指した。
どれくらい走っただろうか、遂に校門が目の前に現れる。
俺は歓喜のあまりに両手を高く上げ、
マラソンのゴールテープを切るような気分で校門を通過した。
周りの騒めきも今は選手を祝う歓声に聞こえる。
寝坊こそしたが、遅刻まではせずに済んだぜ。
俺は徐々に速度を落とし、終いには徒歩の速度で校舎に入った。
階段を登り、俺の教室である一年A組の前に辿り着く。
そしてここで、俺の意識がフッと遠のく。
「あ…」
俺不死身だけど、流した血は戻って来ないんだよね。
つまりは……貧、血。
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