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お前変わってるなbyフジミヤ
「あーあ…」
医務室の天井を見上げながら、溜め息をつく。
意識が回復した時には、俺はこのベッドの上に寝かせられていた。
折角遅刻を回避出来たのにこれでは、と脱力しかけたが、救急車に連行されなかっただけマシか。
俺は、体から流れ出た血が元に戻ったりはせず、傷の治りが異常に早いだけなのだ。
飛び降りたのと轢かれたのを合わせれば、それなりの出血をしていた事は想像に難しくない。
常人にとって痛みは肉体に危険を知らせるセンサーなんだそうだが、今回は痛みを感じないのがデメリットになってしまった。
「塩水落としてなけりゃあな…」
或いは、せめて轢かれた後に飲み干しておけば倒れずに済んだかもな。
天井に向けて右手を伸ばし、グーとパーを交互に作ってみる。
寝てる間にある程度回復したらしいが、本調子とまでは行かない。
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