第1章

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 それからすぐに夏休みになって、きいちゃんと顔を合わせずにすんだのは嬉しかった。  夏休みが終わったころにはきいちゃんへの恐怖はだいぶ薄まっていた。けれどやはりどこか残っていて、相手もそれを感じ取っていたかも知れない。そのうち、なんとなく一緒に遊んだり、話をしたりしなくなってしまった。  今でも夏になると思いだす。戸の向こうで、「ねえ、ねえ」と呼び掛けていたのは、本当にきいちゃんだったのだろうか……?
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