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怪電話
Yさんが小学生のころというから、ざっと二、三十年は前になる。当時小学生の子がいる家庭を狙った【怪電話】がさかんにかかってきたという。
携帯電話が普及する前のことで、電話というとたいていの家庭では固定電話を指し、ナンバーディスプレイ機能を備えた電話機すら珍しかった。つまり電話とは、誰からかかってきたかわからないものを、在宅の誰かが受けるものだった。多くはその家庭の主婦が受けたが、親の手伝いとして子どもが電話に出ることももちろんあったし、むしろ子どもたちのコミュニケーションの道具(遊びの誘いや雑談など)にもさかんに利用され、ある程度の年齢になると電話のマナーを躾けられたものだった。
【怪電話】は子どもにだけかかってくる。
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