第3話▲桜と水車

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「さあ、重里さん…そろそろ行きますよ」 「了解した。車かね?電車かね?」 「何行ってるの、飛ぶに決まってるでしょ」 「えっ…まっまた飛ぶのか!」 重里の緩んでいた身体に、再び力が入る。 そして、恐怖に慄く自分の顔をどうかみてくれと言わんばかりに、身を乗り出しオバちゃん仮面を見つめた。 そんな重里の姿に目もくれないオバちゃん仮面。 「はぁ…」 諦めた重里は、大きく溜息をつき、渾身の力を込めて言葉を発した。 「最後の頼みだ…聞いてくれるか!」 「良いわよ。言ってみて」 「私の気を失わせてから、運んでくれないか」 「断る」 「えっ…あっ?…ぬぉおぉぉぉぉっ!」 あっという間に、2人は飛んで行ってしまった。 2人のやり取りの余韻が、置いてけぼりをくった私に残る。 そして、その残った嵐の様な余韻は、私を大爆笑の渦へと引き込んで行った。 3話▲桜と水車 終
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