第4話▲仲間と涙(前編)

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あっしの名はサブちゃん。 大物演歌歌手じゃぁねぇ。 10年後に迫り来る核戦争からこの地球を守る為、遠く離れた電波銀河からやってきたサブリミ族の1人でぃ。 そして、この地球でスカウトしたオバちゃん仮面こと愛田正子さんと共に、日々悪と戦い核戦争を防ぐ為の手段を模索している所なんでぃ。 悪と言えば、昨日しょっ引いた重里、こいつがとんでもねぇ悪人でよ、警視庁捜査2課のトップ尚且つ、警視正と言う肩書きがありながら、影で暗殺者として銭儲けをしてたって言う、とんでもねぇ奴でさ。 そして、その重里に殺しを依頼していたファザーこと鹿田、こいつは悪人以前に人間たぁ思えねぇ事をしてきた奴だ。 身内の居ない子供達を引き取り、犯罪者に育て上げる組織のトップなんでさ。 いやぁしかし、うちの親分ときたら、つえーのなんのって…鹿田達をあっという間に縛り上げ、自白に追い込んだかと思えば、重里をこれまた簡単にとっ捕まえ、お天道様に向かってすげー速さで飛んで行くんでさ。 それが、はえーのなんのって。 正子さん…もとい、オバちゃん仮面は、命を懸けて悪を成敗する本物のヒーローなんでぃ。 「サブちゃん…あんた、結構周りに影響されるタイプ…だったんだ」 「すいやせん…あ、いや…すいません」 起きてきたばかりの寝ぼけた声の正子さんに突っこまれ、シュンとなる私。 見れば、正義の味方の正子さん、ボサボサの髪にネグリジェ姿の、どこにでも居る…いや、どこにでも居ては困るおばちゃんになっているではないですか。 「正子さん!!もう少しマシな恰好をして起きてきてください!!」 「いいじゃないの~。家に居る時くらい、好きな恰好させてよん」 「フム…困った方ですねえ」 「ウフフ。それよりサブちゃん、銭形平次そんなに面白かったの?」 話をするりと変えられてしまいましたが、まあ正子さんの気持ちも解るだけに強くは言えないと、変化した話題に返答する私。 「はい!200年前接点を持った岡っ引きにとても良く似ているもので、懐かしくなりまして」 「そうかぁ、サブちゃんはその時代から日本に居るものねぇ」
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