アクマが来たりて...

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「遅いわよ この役立たず!死ぬ事だったわよ」 「すんませんお嬢」 ここにいるヤクザ者全てがこの小娘を嫌っていたが親分の愛娘だ。逆らう事は出来ない。 「こりゃひでぇ アイツらイカれてやがる」 修羅場に生きるヤクザ者ですら眉をひそめる惨状。危うくお嬢もこの中に混ぜられるところだった。もしそうなったら自分達も命はない。心底安堵したヤクザ者達。 「フン!本当に最悪よ 何してるの!帰るわよ!」 手下に当たり散らし 立ち上がって帰ろうとするお嬢様 しかしその時 体に異変が起きる。 ギュルルルル 「嘘 嘘 嘘??なんでいきなり?」 急に下腹部に差し込むような痛み 一気に冷や汗が出る。さっき射たれた毒が回ってきたのだ。 「お嬢?」 「いやっ 来ないで!見ないで!あっちいって!!」 涙目で懇願するお嬢様 これまでゴミ以下に扱ってきた手下達にこんな醜態を見せるわけには行かない。それこそ死んだ方がマシだ。必死に腹に力を込める。 ブリブリッ 「あっ...」 しかしそんなお嬢の抵抗虚しく 尻からは汚物が 前からは小便がとめどなく漏れ出る。。 「いや...なんで... 止まらない ...見るな! 見ないで!あっちいってよぉ!」 虚勢をはるが 汚物は止まらない。廃屋にビチャビチャとした水音とすえた匂いが広がる。 そして今度は猛烈な吐き気を催し抵抗する間もなく豪快に吐瀉物を撒き散らした。 その後は全身に激しい痛み とても立っていられない。 自分の汚物まみれの床に倒れ込み のたうち回る。 「うげっ...ゲボッ 助けてぇ パパァ ウボァ...」 言葉は出そうとするが逆流する吐瀉物で喋ることも出来ない。 そして最後には全身の穴から血が噴き出し お嬢様はあっという間に死んでしまった。 まさにアクマツキの予測した汚物と羞恥にまみれた最後だった。 結局その場に居合せたヤクザ者の報告でこの事件は明るみに出た。 その知らせを一番に聞いたヤクザ者のボスは娘をみすみす殺した部下を粛清した後 他の部下に命令を出す。 「ヴィジランテに連絡を入れろ!コイツらただ殺すだけじゃ気がすまん!! 必ず探し出し 考えうる最も残忍な殺し方をしろと言え!!!金に糸目は付けん!!!!」 娘を殺された一人の父としてのこの行動が 街に血の雨を降らせるアクマツキ同士の殺し合いを呼び寄せることになる。
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