激突!!

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激突!!

深い深い闇。 何も見えない 何も感じない。 体そのものが闇に溶け込んでしまったかのようだ。 影は光ある所に必ず存在する 故に光ある所何処にでも行ける。シスターブラックの能力で転送されるの珠姫とベル。 深い闇が少しづつ晴れてくるとそこは どこかの日当たりの悪い裏路地。 戦場となる街は ゴールデンタウン。ここ数年急成長を遂げた国内有数の都市で最も豊かな街だ。 街の光が強い分 闇の部分もまた強い。 華やかな表の世界を一歩出れば 都市の成長に追いつけなかった者 栄える都市のおこぼれを預かろうとする浮浪者 そして輝かしい発展を影から支えるアウトサイダー達の巣窟だ。 そんな都市だから 欲望にまみれたアクマツキにとっても住みやすい都市である。 転送が終わった珠姫とベルに迎えが来る。 「お疲れ様ですっ!珠姫姉さん ベル姉さん!C級エージェント 塚本アリス 参上したっす!」 黒のキャップにパーカーに半ズボン 動きやすさ重視のスニーカーと言う出で立ちの塚本アリスががビシッと敬礼して二人に挨拶する。 「ご苦労様です アリスさん」 ニッコリ笑うベル。礼儀正しい女なので年下にも敬語だ。 「今日もキュートねアリス それで...状況は?」 いかなる時でも女性を褒めることを辞めない珠姫だったが 今回は素早く仕事モードに入る。 「おっす! いまの能力を使って街中に兵隊を配置してるっす!それで現場に残されていた痕跡を辿ると恐らくこののエリアに潜んでると思われるっす!」 アリスはこの街の地図を取り出し 一区画を赤丸を付ける。 「第十三地区ね...」 「確か被害者は女性ばかり しかも富裕層の方が多いので怪しいですね」 第十三地区は 女性向けブティックやネイルサロン などが軒を連ねる商業地区だ。 「オッケー!じゃあまずそこを重点的に調べましょうか。アリス あなたの兵隊をそこに集めてちょうだい!」 「了解っす! デビル・アマルガネーション!」 アリスがアクマツキ形態になる。パーカーは黒光りする鎧に姿を変え 頭からは触覚がぴょこぴょこ動いている。 彼女のアクマは 女王アリのようなアクマで 自らの影を切り離し働きアリとして使うことが出来る。 C級エージェントは戦闘は不得意だが 索敵などを得意とする縁の下の力持ち集団だ。
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