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ああっ!下に行ってしまった。
ねえねえ、君、非常階段みたいなのは、この空間にはないの?
「残念ながら、元の世界に帰れるのは、そのエレベーターだけだよ、お兄さん。」
そうなんだ。よーし、もう一度、あのエレベーターが10階まで上がってきたら、ドアを叩いて気付いてもらうぞ。
よし、エレベーター来た。
ドンドンドン!
おーい、もう一人の僕!気付いてくれ!お前の本体はここだ!
あっ、気付いてくれた!
ドアが開くぞ。
そこの少年よ、ありがとう!助かったよ。
「うん、バイバイ、お兄さん。」
じゃあな、壁から生えた不思議な少年!
って、うわああああ、何をする!もう一人の僕!や、やめろおおおお!
「ああ、お兄さん、言い忘れたけど、バグは消される運命なんだよね。もう一人の自分に気付かれちゃうとね。」
少年は、悪意の笑顔でエレベーターを見送った。
「んで?異世界に行く実験は成功したのかよ。」
「ああ?異世界なんて、無かったよ。」
「本当だな。ただ、お前がエレベーターで遊んでるだけだな。この動画。」
「ああ、そうだな。」
「ってかさ、お前、何なの?その昭和の小学生みたいな格好は。」
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