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先週のスーパーでのことも、きっと親切心からだったのだろうと今なら思える。ただ、理沙にそれを受け取る心の余裕がなかった。
「大阪やからなー、良くも悪くも。って、あたしもコテコテの大阪人やけどな」
「でも、香さんと知り合えてよかったです」
理沙は心からそう言った。
「あ、ラピートや!」
またどこかで小さい男の子の声がした。
見ると、住吉大社駅を特急ラピートが通過してゆく。
すると、突然
「らぴーちょや!」
と美月が真似をして叫んだ。
理沙と香は、顔を見合わせて盛大に吹きだした。
…この子が立派な大阪弁をしゃべるようになる頃。
理沙は考えた。
私も、立派な大阪のおかんになれてたらいいな。
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