2 赤ちゃんサークルにて。

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「1歳なんですけど、人見知り、場所見知りで。初めての場所だと最初はずっとこうで」 理沙が少し情けない気分で答えると、男の子の母親は言った。 「すごく慎重なんですね。女の子だし、それくらいの方が安心かも」  理沙ははっとした。今まで、美月の人見知りを欠点としか捉えていなかったのに。「慎重」だなんて、そういう考え方もあるのか。 「あー、理沙ちゃんや、おはよー。来てくれたんやー」  入口から大きな声で呼ばれた。香だった。 「待ってるで、とか言っといて遅くなってごめーん」  にぎやかに話しながら、香は理沙の隣に座った。みきも一緒だ。 「おはようございます」 「こちらは?初めましてやんな」 「あ、こちらは」  そういえば名前を聞いていなかった。 「初めまして、美樹です」 「美樹さん?うちの下のんと同じ名前やな!香です、よろしくー」 「よろしくお願いします」  気さくな香に、戸惑っていた美樹もすぐに打ち解けたようだった。理沙は聞いた。 「今日は、ゆきちゃんは?」 「ゆきは幼稚園。ゆきがおらんとみきと二人だけで暇してるから、サークルの日が楽しみで楽しみで」 「ゆきちゃんって?」  美樹が聞いたので、香の代わりに理沙が答えた。 「みきちゃんのおねえちゃん。5歳で、すっごくしっかりしてるんです。昨日公園で会って」
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