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「じゃあ、お隣さん」
「え、あ、はい。み、宮本、理沙です。これは美月、1歳です。ここに来るのは初めてです。よろしくお願いします」
たったそれだけを言うのに、心臓がばくばくしていた。
「お願いしまーす」
「はい、じゃあ次のひと」
「岡野美樹です。息子は8か月の雄太です。ハイハイが早くて困っています。私も初めて来ました。よろしくお願いします」
内気そうに見えてすらすらと話す美樹をちょっぴりうらやましく思いながら、理沙は改めて室内を見まわした。ざっと20人くらいの母親たちと、その子どもたち。小さい子は2~3か月の赤ちゃんから、大きい子は3歳くらいまでのようだ。かと思えば、お腹が大きい妊婦さんもいる。結構活発なサークルみたいだ。
「はい、ありがとう。私は福祉委員の中川です。じゃあみなさん自由にしてくださいね」
最後に人の好さそうなおばさん…中川委員が締めると、途端に場はにぎやかになった。子どもたちも親たちも思い思いに話したり遊んだりしている。すやすやと眠っている赤ちゃんもいる。
「いつも、こんな感じなんですか?」
理沙が香に尋ねると、香はうなずいた。
「そやで。特に何をするでもないねん。ただ集まっておしゃべりして終わり」
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