2 赤ちゃんサークルにて。

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「こらこら」  中川委員が近づいてきた。 「ただ集まっておしゃべりして終わりて。まあそうやけど」 「そうなんかい!」 「一応育児相談とかもやってますからね、気になることや悩んでることがあったら何でも聞いて。あと、希望者は体重測定もやってるから」  中川委員が部屋の後方を指差すと、スタッフらしい若い女性が子ども用の体重計を用意していた。オムツだけになった子どもが、体重を測ってもらおうと待っているのがほほえましい。 「母子手帳を持ってきたら書き込んでくれるからね」 「そうなんですね!じゃあ次から持って来よう」  美樹が目を輝かせた。  …それから1時間半。  ようやく場に慣れた美月は理沙から離れておもちゃで遊び始め、理沙は香や美樹とおしゃべりをして過ごした。内容は近所の小児科や歯科医などの情報交換、スーパーや商店街のお得なネタ、そしてもちろん夫の愚痴など。 「また来月も来てなー」 最後までにこにこの中川委員に見送られ、 「また公園でなー」 香や美樹と連絡先の交換もして、理沙はうきうきした気分で家に向かった。大勢の母親や子どもたちと触れ合えて、おしゃべりして、久しぶりに心が晴れ晴れとしていた。美月も興奮して疲れたのか、ベビーカーに揺られているうちに眠ってしまった。
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