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「そやった?おいしいで。あ、」
テーブルの上のコロッケを見た弘樹が、しまった、という顔をした。
「コロッケ、かぶってもーたな」
「これはね、商店街のお惣菜屋さんの。なんとこれで110円だよ。すごくない?」
「やすっ!」
「ぱぱ、ぱぱ、みづきね、みづきね、ちゅーしゃ、なかなかったよ」
弘樹にまとわりつきながら、美月が得意げに報告する。
平日の夜がこんなに和やかなのは、もしかしたら美月が生まれてから初めてかもしれない。
そんなことを思いながら、理沙は弘樹が買ってきた玉子コロッケをお皿に追加して、再びキャベツを刻み始めた。
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