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と、いたずらっぽく答えた。思わず笑ってしまった理沙は、そのままなんとなくその母親の隣に座った。
「お子さん、美月ちゃん?何歳?」
「この前、1歳になったばかりなんです」
「じゃあうちの下のんと同じやね。上のんは5歳。上がゆきで、下がみき。あたしは香。よろしくね」
「あ、私は理沙です。よろしくお願いします」
5歳のゆきが、お姉さんらしく美月の世話をやいてくれている。ゆきの妹のみきは、マイペースに黙々と穴を掘っている。小さい女の子が3人で遊んでいる様子がかわいらしくて、理沙の頬は思わずゆるんだ。そんな理沙に香が話しかける。
「理沙さんはこの近くに住んでんの?」
「はい。そこのマンションです」
「ええなーマンション。公園も近くて最高やな」
「いいですか?一戸建ての方がいいですよ。私、ずっと一戸建てだったからマンションに慣れなくて」
「うち一戸建てやけど、細長~い3階建てやから、もー何するにも階段上り下りせなあかんし大変やで。妊娠中とかほんましんどかったわ。今も子どもら1階のお風呂に入れて、2階で着替えさせて、3階で寝かせんねん」
「それは…大変そうですね」
「ほんま、毎日しんどいわ。1フロアで済むマンションに憧れるー」
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