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あはは、と笑った香を、理沙はまぶしいような気持ちで見つめた。
そのとき、近くで遊んでいた小さい男の子たちから歓声が上がった。
「あ、ラピートや!」
「ラピート、ラピート!」
理沙がつられて見ると、艶やかな紺色の車体の特急が、住吉大社駅を走り抜けていくところだった。
「やっぱ男子は鉄道好きやなー」
と感心する香に対して、
「ラピートって、関空に行くときに乗るんですよね…。私は当分乗ることはないんだろうなあ」
理沙は思わずつぶやいた。そんな理沙に香が言った。
「なあ、理沙ちゃん、粉浜の『赤ちゃんサークル』行ったことある?」
「赤ちゃんサークル、ですか?」
そういえば道の掲示板に、そんなチラシが貼ってあるのを見た気がする。興味はあったが、勇気がなくて行ってみることができずにいた。
「ありません、けど」
「じゃあ行ってみいひん?私、上の子のときから行ってんねん。そこでママ友もできたし」
「香さんも行ってるんですか?」
「そやで。月1回、第2月曜。ちょうど明日やし、もし都合よかったら」
「…考えてみます」
「待ってるで!ゆき、みき、そろそろ帰ろか?」
「えー」
しぶるみきに、香が言う。
「帰っておやつ食べよか」
「うん!」
「美月ちゃん、また遊ぼな」
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