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と美月に向かって言った香に倣って、理沙も
「ゆきちゃん、美月と遊んでくれてありがとうね」
と、さっさと砂場のおもちゃを片付け始めていたゆきに声をかけた。5歳になる頃には、美月もこんなにしっかりするのかな。だったらいいな。そう思いながら。
その夜、美月を寝かせたあとに、理沙は夫の弘樹に今日の話をした。
「今日、公園でね、香さんっていうひとと知り合ったの」
「そうなん」
「5歳と1歳の女の子のママさんでね、5歳のゆきちゃんがしっかりしてて感心しちゃった。妹のみきちゃんは美月と同じ歳なんだって」
「そうなん」
「香さんに誘ってもらったから、明日赤ちゃんサークルに行ってみようと思って」
「ええやん」
テレビを観ながら上の空で返事をする弘樹に、理沙はため息をついて、スマホを手に取った。赤ちゃんサークルの場所と時間を確認するためだった。
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