166人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
episode226 夢のつづき
四方を取り囲むグレイの壁。
「なあ――もういい加減吐いたらどうだ?」
僕の神経を苛立たせる為だけに目の前の男は
無機質な電気スタンドの灯りをチカチカと点滅させているようだ。
「――おまえがやったんだよな?」
低く優しい声音は
どこかを享楽的な響きを含んで僕の耳元に囁く。
「お楽しみの最中に、自分が何したのか覚えてないのかよ?」
唇がひどく渇いて
少しでも動かすと割れてしまいそうだった。
それで僕はただ小さく首を横に振った。
「だったら思い出させてやるよ」
眼光の鋭い四十前の男は
僕の唇を挑発的に凝視したまま言った。
「おまえはベッドで男の身体を切り刻み、一物をちょん切った挙句そいつを――」
最初のコメントを投稿しよう!