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「つまりだ……
ずっと魔法が続かないし、私と離れれば魔法も切れるという事だ」
彼女はキョトンとした様子でいたが、更に居住まいを正すと何かを決意した目で私を見る。
「大丈夫、です…!!
せめて、勇気がある事で何が変わるならそれを知りたい!!」
勢い良く迫ってくるのは結構だが、そうと決まれば私も遠慮せずに仕事の話に移らせて貰おうじゃないか。
そう思い、彼女の前に例の依頼書を差し出してから仕事の話を始める。
「ならば、まずは報酬に関してだ。
成功報酬は直接支払いと書いてある通り、君に勇気の魔法をかけて効果があったなら報酬はきっちり頂くが……」
「報酬……」
「理解できないようならこれで分かるか?」
指で輪っかを作り、彼女の目の前にちらつかせるが相変わらず目を点にしながらも首を傾げるだけで話が一向に進む気配がない。
止むを得ないのではっきり言ってしまおう。
「報酬、詰まるところが金だ」
「か、ね……?金ぇっ!?」
そんな信じられないという顔で見られてもこっちだってただ働きをしに辺境にやって来ている訳でも、ボランティアでもないのだ。
「取るんですか……」
「寧ろ、何故取らないと思ったんだ」
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