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どこか威圧的に感じた恭ちゃんの視線で、この場から抜けることが厳しいと思ったその時だった。
「恭太、佳奈ちゃんも社会人なんだから、仕事の話なら仕方ないだろ」
「いや、別に俺はダメだなんて言ってないし」
「そうは見えなかったけどな。
俺の傍から離れるなってお前の背中が言ってたぞ」
「適当なこと言うなよ。佳奈が勘違いすんだろ」
「え? 恭さまは佳奈のこと好きなんだと思ってたけど違うの?」
「キッパリ言うけどね、千波ちゃん、それ大きな勘違いだから」
「えー? そうなんですか?? ある意味、ショック」
「は? 何でショック?」
大吾さんの気転で、空気が変わって恭ちゃんの視線は私から千波へと変わり、私はそっと店を出た。
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