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「あれ? 千波ちゃん、そういう仁義、みたいなの好きだったりすんの?」
「いや、別にそういう訳じゃないけど」
そう言いながらも、確実に千波が大吾さんに向ける瞳は変化したように私には見えた。
「あ、佳奈、今井部長に報告済んだ?」
恭ちゃんの問いかけに、私は苦笑いしながら頷いて席に戻った。
それからは車で来ている恭ちゃんはノンアルコールのビールを飲みながら食事を済ませ、千波は容赦なくビールを飲み続ける。
やがて時計の時刻が10時を回った頃、すっかり酔いつぶれてしまった千波はそのまま大吾さんの店のお座敷で寝かせてもらうことにして、私と恭ちゃんは店を出た。
すっかり冷え切った夜空を眺めながら恭ちゃんと川土手の道を歩く。
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