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「県会議員になったら、こんな風に佳奈と気楽に会ったり酒を飲んだりも出来なくなるかもしれない」
「……そうだよね」
「変に噂とか立てられたら、やっぱマズイ部分もあるし」
「…………」
「だけど俺にとっての佳奈は、何も変わらないから」
「恭ちゃん……」
「困った時は、必ず俺を頼れよ」
「……うん」
「俺は、何があっても佳奈を守るつもり」
どうして恭ちゃんがこんなことを言うのかは分からない。
けれど、恭ちゃんは何か大きな決意を固めたことだけは理解した。
それは父親の作り上げて来た地盤を、決して崩さない決意だったかもしれないし、私との関係を変化させようという決意だったのかもしれない。
ただ……初めて恭ちゃんと私の間に距離を感じたのも確かだった。
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