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「あっ、あの、こ、こっ、こんばんは」
「ごめん、驚かすつもりはなかったんだけど」
「いっ、いえ、油断してたので、すみません」
焦りながら頭を下げると、彼はクスリと小さく笑った。
「仕事が終わらなくて、せっかく訪ねてもらったみたいなのにごめんね」
「いえ、私の方こそ突然お誘いに行ってしまって」
「あ、これ俺の連絡先。
明日は残業にならないと思うけど、仕事が終わったら連絡するんで。
一緒に木嶋屋に行きますか」
思わず「はい」と返事しそうになったけれど、私の中に戸惑いが生まれた。
さっきの恭ちゃんの言動と大吾さんの友達に対する忠誠心が脳裏に過ったからだ。
もしも私が、市倉さんと大吾さんの店で一緒に飲んだりしたら……。
確実に恭ちゃんの親友の大吾さんは報告しそうな気がする。
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