Act.2

8/36
前へ
/36ページ
次へ
「単身赴任の家庭持ちだったんだと」 「え?」 「プロポーズ受けたらね、じゃあ離婚するからちょっと待っててって言われたの。 ふざけんな!って言ってやったわ!」 さっきまでの落ち込んでいた千波は消え、怒り丸出しの表情でそう言うと、私の前に置かれたジョッキを奪って一気飲みを始めた。 「おい千波、腹立つのは分かるけど飲みすぎだぞ」 「潰れたらちゃんと別の男に迎えに来て貰うからほっといてよ」 「あ、そ。じゃ好きにしろ」 冷たく言って大吾さんは厨房へと戻って行く。 それと入れ替わりのタイミングで、私のアパートの駐車場から走って来たと思われる恭ちゃんが店に現れた。 「あれ?今日はカウンターで飲んでんの?」
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

257人が本棚に入れています
本棚に追加