Act.3

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家から徒歩10分くらいの小さな定食屋、まごころに着いた私と誉さんは、向かい合わせに腰掛けてメニューを開いた。 「どれにします?」 広げたメニューには、お肉系から魚介類まで何でもあり、それらを眺めながら誉さんは小さく笑う。 「海老フライがおすすめなんだっけ?」 「はい! ここの海老フライ、すごく大きいんですよ」 「そっか。じゃ海老フライにしようかな」 「了解です! じゃ海老フライ定食ふたつお願いします」 注文を済ませた私は、興味津々で誉さんに質問をぶつける。 「誉さんは、もうSAKURAシステムさんに勤めて長いんですか?」 「……いや、まだ日が浅いんだ。都内の会社を辞めて今の会社に所属が変わったばかりだし」 「所属?」 彼の言葉に違和感を覚えた私は、思わず聞きなおした。
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