Act.4

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「ほらね。やっぱり佳奈ちゃんは飲む時、すごく幸せそうな顔するんだよ」 「あはは……なんか私、すごい飲んべぇみたいですよね」 「いや、すごく可愛いと思うよ」 「…………」 もうこれで誉さんから可愛いと言われたのは二度目なんだけど、やはりちょっと恥ずかしい。 「さて、じゃあ、こっちも頂きます」 「あっ、どうぞ」 箸を取った誉さんは、丁寧に手を合わせてから水菜のサラダをつまんで口に入れる。 「あ、これ美味い。水菜って鍋でしか食ったことなかったけど、鰹節と合うんだな」 「でしょ? それうちの母から直伝の味なんです」 「へぇ……そっか……」 しかし私がその味付けの続きを話そうとした時、誉さんが問いかけた。
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