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しかし大吾さんがいなくなったのを見計らったように千波は身を乗り出し私に聞いた。
「で? その男とはもうシたの?」
「しっ……してないよ!」
「え? そうなの?」
「あ……だけど……キ……キスはした」
「……ふーん。いつ?」
「……昨日」
「出会ったのが日曜で、今日はまだ水曜日ですけど」
「…………」
「まぁ恋に出会ってからの時間は関係ないけど、もう28歳だしね。
決意するまでの時間を無駄に割いてられないってのが現実だよね」
「…………」
「その人、バースディパーティに連れて来なよ」
千波の言葉に慌てて顔を上げると、彼女は穏やかな笑みを浮かべたまま言った。
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