Fake 第4話

Act.4

───その週末。

私は仕事帰りに大通り沿いにあるスーパーで食材を買い込み、帰宅の途を急いでいた。

誉さんとの外食も考えたけれど、大吾さんの店に行くのはどことなく嫌だったからだ。

出来ることなら、最初は千波に誉さんを紹介したい。

まして誉さんは大吾さんや恭ちゃんのことを知っているから、もしかしたら知り合いの可能性もある。

どことなくややこしいバースディパーティになりそうな予感に包まれながら、アパートへとたどり着くと、まだ駐車場に誉さんの車は止まっていなかった。

「間にあって良かったー」

そう呟きながら家に入り、早速買って来た食材をテーブルに広げる。

短時間でも作れそうなメニューは、事前にネットで調べてあったしあとは手際良く調理するだけだ。