Act.4

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私の放った言葉に、一瞬唖然とした誉さんは、少しの間を置いてから小さく笑う。 そしてどこか照れくさそうに答えた。 「……ただいま」 「…………」 ヤバい。相当恥ずかしい。 そう思った時、彼は照れ隠しのようにビールが5本ほど入った袋を私に差し出した。 「前回と同じ銘柄のビールだけど、これで良かった?」 「あっ、はい。あの……どうぞ」 おかえりなさいと言っておきながら、ぎこちない空気のまま彼を部屋に通す。 「失礼します」 そう答えた彼も、どこか緊張しているように見えて、私はその場の空気を変えようと努力する。 「あの、おつまみ作っておいたんです。お口に合うか分からないんですけど」 「え?」
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