Act.4

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「ごめん。まずは乾杯からだよね」 「……あ……」 「せっかく作ってくれた料理が冷めちゃうし」 そうだった。 だけど私の隣でビールのプルタブを起こした誉さんが、無性に冷静に見えて少し寂しく思った。 もっと触れ合いたいという欲求が抑えられないのは私だけで、誉さんは違うように感じたからだ。 今まで付き合って来た元彼たちは、割と積極的にそういうことを求めて来たし、キスだけで止まることなんてなかった気がする。 理性的な誉さんも素敵だけど、先日の深い口づけをしてくれた時の別人のような誉さんも本当に素敵だった。 ……もう一度、あのキスを……。 しかしその時、悶々と考えていた私の頬に、誉さんはキンキンに冷えたグラスを触れさせる。
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