189人が本棚に入れています
本棚に追加
「佳奈……私……どうしよう?」
「え?……何を?」
「私……」
「うん?」
「……大吾さんの……」
しかし千波がその言葉の続きを口にしようとした時、再び店の奥から大吾さんが姿を現し私たちの前にお通しのひじき煮を置いた。
そして私を覗き込んで問いかける。
「なぁ佳奈ちゃん」
「はっ、はいっ」
「昨日さ……」
「……はい」
昨日と問いかけられただけで私の脳裏に誉さんとのことが過った。
もしかして大吾さんに見られたのかと思ったからだ。
しかし大吾さんは私の思惑とは違う事を口にする。
「恭太から電話があって、しばらくここには来られなくなるかもしれないって言われたんだけど、アイツ何か言ってた?」
最初のコメントを投稿しよう!