Act.4

5/36
前へ
/36ページ
次へ
大吾さんに言われて思い出す。 そう言えば恭ちゃんは県会議員への立候補が決まって忙しくなると言っていた。 だけどそれは年明けの話で、今の話ではなかったはずだ。 しかし、親友の大吾さんならそれはすでに熟知しているものだとばかり思っていたから、私からしてみると意外な質問で、どう答えていいものか迷う。 「……いえ、私も特に聞いてませんけど……」 傍から見たら奥歯に何かものが挟まったように聞こえたかもしれないが、私はそう答えて大吾さんを見た。 「……そう。今月の15日は佳奈ちゃんの誕生日だからさ、恭介がバースディパーティしてやりたいって言ってたのにどうしたのかなと思って」 すると大吾さんの言葉で思い出したように千波が言った。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

189人が本棚に入れています
本棚に追加