Act.4

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「実は……先週の日曜日にここから帰宅するのに烏川の土手を歩いて帰ったんだけど……」 「あ、元彼と別れた日?」 「うん。あの日、私……土手で変質者に襲われたの」 「はぁぁっ? 襲われたって?!」 「うん……。押し倒されたんだけど……たまたま通りがかった人に助けてもらって……」 そこまで話してチラリと二人を見ると、驚愕の出来事に唖然としている千波とは相反して、大吾さんは全く表情を変えないまま私を見つめている。 その様子にどこかで違和感を覚えながら、私は淡々と彼との出会いを語った。 「その人は偶然にも私と同じアパートのB棟に住んでるシステムエンジニアで、仕事でも繋がりがある人で……その……」 その先をどう説明しようか迷いが出て言葉を詰まらせると、千波が問いかける。
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