Act.4

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すると千波も大吾さんの意見に同意してしまったのか、私に疑問を投げかけた。 「その人、本当にシステムエンジニアなの?」 「えっ?」 「うちの店にお客にもシステムエンジニアが何人か来るけど、みんなデスクワークだから色白だし、そんな身体を鍛えてる感じでもないし、大の男を軽々投げ飛ばすなんてさ……まるで少女マンガに出て来るイケメンみたいじゃん」 「…………」 「まぁそのシチュエーションで自分を助けてくれたイケメンに惚れない理由はないかもだけど。こればっかりは男には分からないだろうなぁ」 千波はそう言って大吾さんをチラ見した。 「悪かったな。女心が分からなくて」 「あ、その自覚はあるんだ?」 「……だから女は面倒くせぇんだよ」 そう吐き捨てて大吾さんは店の奥の厨房に戻って行った。
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