Act.5

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いつかこの4人の中の誰かが仲間よりも大切なものを見つけ、この4人の中の誰かが家庭を持つ時が来る。 事実、私の兄の健斗だって家庭を持ってから大吾さんの店にも来なくなったし恭ちゃんと会うことも減った。 確かに友達は大切だ。 けれど兄が結婚した時に言っていた。 最後に守るべきなのは、友達ではなく愛する人なんだと。 いつか私もそう思う時が来るのだろうか。 「じゃ佳奈、またね」 「あ……うん」 千波との電話を切って、深いため息をつく。 大吾さんのパソコンにあったという集団強姦は、当時も密かに囁かれていた黒い噂だった。 幼少期の私が、不審者に悪戯された時も、警察は真っ先に地元の暴走族を疑っていた。
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