Act.6

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威圧的な言葉を呟いた唇が私の唇を塞ぐ。 「……っ……」 慌てて逃げようとすると、恭ちゃんの手は私の後頭部を捕えて抑えつける。 必死に逃れようと身体をよじると、恭ちゃんはすぐに私を解放した。 そして表情も変えないままに、恭ちゃんは再び言葉を放った。 「佳奈の誕生日は、仕事で遅くなるから大吾の店には行けない。 だけど12時になるまでには必ず佳奈の家に行く」 「…………」 返事が出来ずに佇む私に微笑むこともないまま、恭ちゃんは背中を向けるとSAKURAシステム開発のエントランスへと消えて行った。 それを呆然と眺めながら私はとてつもない違和感に包まれる。 恭ちゃんがあんな風に感情を剥き出しにしたのを初めて見た。 そしてあんな乱暴に腕を掴まれ、キスをされたことに驚くばかりだ。 だけど…… 私は恭ちゃんに捕まれた腕をじっと見つめる。 少し赤みを帯びた手首をさする私を、ビルの上階から見おろす瞳があったことに気づきもしないまま────。
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