Act.6

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システム5課に着いた私は、小杉さんと一緒に完成したセキュリティシステムについての説明を受ける。 用意して来たサイト用のデータにプログラムを組み込んで貰い、打ち合わせが終ったのは示し合わせたように12時ぴったりだった。 「じゃあ小杉さん、今日はどうもありがとうございました」 「いえ、今井部長によろしくね」 「はい」 小杉さんとエレベーターホールで別れた私は、セキュリティゲートを抜けた先で立ち止まり、携帯をタップする。 『今、打ち合わせ終わってセキュリティゲートを出ました』 誉さんにメッセージを送信してから、エントランス脇の壁にもたれて彼からの返信を待つ。 やはり誉さんはとても優秀なエンジニアだった。 そしてそれだけの頭脳を持つ彼なら、あのコラムを書く能力を持ち合わせていてもなんら不思議はない。
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