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「いいですね。行きましょう」
お互いが微笑み合ってエントランスを抜ける。
ここから駅までは歩いてもほんの5分ほどだ。
けれどこうして彼と並んで歩けることだけで胸が弾む私は、どれだけ彼に惹かれているのだろう。
「今日はシステム5課で、あるサイトのセキュリティシステムを構築して頂いたんです」
「ああ、我妻恭太が担当してる県議会セミナーのサイトでしょ」
「やはりご存じですよね」
「まぁ……それが仕事だし」
「ですよね」
しかしそんな会話を交わしていた私と誉さんの後方で女性の声がした。
「室長!」
誰に向かってその声が呼んだのだろうと振り返ると、隣で誉さんが足を止めた。
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