Act.6

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───月曜日。 出勤して行くと、今日も今井部長がしかめっ面でパソコン画面を見つめていた。 「部長、おはようございます」 「ああ、おはよう。 原沢、見ろよ。またあのコラムの続きが掲載されてる」 「え?」 「このコラム書いてるやつは、相当このネタについて引き出し持ってんだろな」 「…………」 そこに書かれていたのは、楓さんの当時の家庭状況だけではなく、その後の彼女の母親の転落した人生まで触れられていた。 「まぁあの事件のあと、この子の母親は真っ先に疑われてたもんなぁ」 「そうなんですか?」 「遺書も見つからなかったし、この母親は夜の仕事してたからな。 娘が邪魔で殺したんじゃないかって噂されてたのは俺も覚えてるわ」 「…………」
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