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けれど彼はまるで私の気持ちが全て分かっているかのように、微笑んで言った。
「俺は佳奈ちゃんを大切に思ってる。それだけは信じていて」
「……誉さん……」
「今はまだ……君に言えないことがたくさんあるのも事実だ。
だけどいつか全てを話せる時が来たら、必ず話すから」
「…………」
「ただ……こうして二人でいられる時間を何よりも大切にしたい」
「…………」
「さっきも斉木さんに言ったように、仕事が詰まってるからしばらく帰宅するのは厳しいかもしれないけど、佳奈ちゃんの誕生日には必ず都合つけるから」
「……はい」
「君の誕生日の夜は、ずっと一緒にいよう。プレゼントも用意するから期待してて」
彼がくれた言葉だけで、私の不安は薄れる。
きっとそれが今の私にとって最高のプレゼントなんだと思う。
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