Act.6

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今日中の納品が可能かどうかの確認かもしれないし、これからデータを受け取りに来る連絡かもしれない。 「……すみません」 小さく私は誉さんに会釈してから、振動を続ける携帯をタップして耳にあてた。 「はい」 「ああ、佳奈。今、どこにいるの?」 「あー、えっと、SAKURAシステム開発さん」 「じゃあすぐ近くにいるから、仕上がったデータ貰っていいかな?」 「……え?」 「悪いけど時間がないんだ。 今回はSAKURAシステムの担当にそのままセットアップして貰おうと思って」 「……でも……」 まだ細かなレイアウトの調整もあるし、もう少し確認の時間が欲しいと伝えようとしたその時だった。
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