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だけど彼は、それを知らなかった。
という事は、誉さんは嘘を言っているとは思えない。
押し黙ったまま、思いを巡らせていると、今井部長が言った。
「ってことで、今日の推理時間は終了。さて、仕事するぞ」
「えー? もう終わりですか?」
「我妻さんの依頼は明後日までだぞ。ああ、そうだ、原沢」
「はい」
「悪いんだが、今日も俺の代わりにSAKURAシステムに行って来てくれないか?
システムが完成したらしいんだが、データを取りに来いって小杉さんが煩くて。
だけど俺が行ったら、すぐには帰してくれそうもないし」
そう言って今井部長は深いため息を吐いた。
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