Act.6

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だけど彼は、それを知らなかった。 という事は、誉さんは嘘を言っているとは思えない。 押し黙ったまま、思いを巡らせていると、今井部長が言った。 「ってことで、今日の推理時間は終了。さて、仕事するぞ」 「えー? もう終わりですか?」 「我妻さんの依頼は明後日までだぞ。ああ、そうだ、原沢」 「はい」 「悪いんだが、今日も俺の代わりにSAKURAシステムに行って来てくれないか? システムが完成したらしいんだが、データを取りに来いって小杉さんが煩くて。 だけど俺が行ったら、すぐには帰してくれそうもないし」 そう言って今井部長は深いため息を吐いた。
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