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「部長、たまには小杉さんとデートでもしてあげたらどうです?」
「悪いが、俺はその気はない」
「でも小杉さんも悪くないと思いますよ。仕事もバリバリこなすし、スタイルいいし」
「俺は見た目が綺麗な女はダメなんだよ」
野口さんと今井部長のやり取りに苦笑いして、私は鞄を持った。
「じゃあ部長、行って来ます」
「おう、よろしく頼んだぞ。
たぶん説明で昼くらいまで引っ張られるから、帰りにメシ食って来ていいからな」
「はい、分かりました」
会社を出た私は営業車のエンジンをかけ、暖気をしながら携帯をタップする。
『これからSAKURAシステムさんにお伺いします。
たぶん打ち合わせがお昼頃まで掛かると思うので、良かったら一緒にランチしませんか?』
螻蟻潰堤というコラムニストが誉さんに思えて仕方なくて、私は確かめたい衝動に駆られ、そんなメッセージを彼に送った。
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