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SAKURAシステムを出た私は、自分の中に芽生えた新たな疑問と葛藤を繰り返しながら会社に戻った。
「部長、SAKURAシステムで我妻さんと偶然会って……」
出来上がったばかりのデータを渡してしまったことを報告しようとすると、今井部長は全て分かっていたのだろう。
困惑の表情を浮かべながら私に言った。
「ああ、我妻の息子から電話があったよ。
時間がないからSAKURAシステムでエンジニアに頼んでサーバーにアップさせるって」
「……そうですか」
「全く。まだデザインの仕上がりの確認もしてないのに、いきなりサーバーに上げろなんて言うから、俺はダメだって言ったんだ。
そしたらアイツ、なんて言ったと思う？」
「……さぁ？」
首をかしげた私の横で、パソコンのキーボードを叩きながら野口さんがその答えを言う。
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