171人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「一発で決められずに不具合を出すような業者だったら、最初から村田デザイン工房に頼んだりしないそうです。
そんな言い方されたら、今井部長も何も言えなくなりますよね」
「……まぁ、そういうことだ。
ってことで、すでにSAKURAシステムでサーバーにアップしてもらったから。俺らはレイアウトの細かな修正のみかければいいらしい。
イラストに関しては、原沢に全面的に任せるって我妻からの伝言だから、修正かけるところがあればやっておいてくれ」
今井部長に指示されて、私は「はい」と頷いて自分のデスクについた。
しかし私の中ではどうしても、恭ちゃんに掴まれた腕の感触が消えない。
子供の頃からずっとそばにいてくれた恭ちゃん。
いつだって強気で紳士的で、だけど私を心配してくれる優しいお兄さんだった。
だけど……───。
最初のコメントを投稿しよう!