Act.7

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「一発で決められずに不具合を出すような業者だったら、最初から村田デザイン工房に頼んだりしないそうです。 そんな言い方されたら、今井部長も何も言えなくなりますよね」 「……まぁ、そういうことだ。 ってことで、すでにSAKURAシステムでサーバーにアップしてもらったから。俺らはレイアウトの細かな修正のみかければいいらしい。 イラストに関しては、原沢に全面的に任せるって我妻からの伝言だから、修正かけるところがあればやっておいてくれ」 今井部長に指示されて、私は「はい」と頷いて自分のデスクについた。 しかし私の中ではどうしても、恭ちゃんに掴まれた腕の感触が消えない。 子供の頃からずっとそばにいてくれた恭ちゃん。 いつだって強気で紳士的で、だけど私を心配してくれる優しいお兄さんだった。 だけど……───。
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